山香と立川、カテリーナの血の繋がり



カテリーナ古楽器研究所 / 中世巡礼物語




カテリーナ古楽合奏団 / ドゥクチア


(上記2作品の商品ページ記載のコメントを参照しつつ下記をお読みください)

「カテリーナ古楽器研究所」と「カテリーナ古楽合奏団」?
違うグループなの?
そう疑問に思われた方もいるかと。

かたや福生から大分・山香へ木を求めて移り住んだ兄・松本公博(こうはく)。
かたや立川に拠点を構え、現在はロバの音楽座としての活動をメインとする弟・松本我隆(がりゅう)。
このふたりが兄弟であること、ロバハウスとカテリーナの森は親戚のような存在だと知ったのが、実は昨年末。

もともとbaobabの活動については何となくその存在を知っている、ぐらいのものだったのですが、いよいよharuka nakamuraとのコラボ作『カナタ』が発売されるということでbaobabと彼らのホームグラウンドである「カテリーナの森」の活動について詳細を調べていくうちに、「はて、カテリーナってどこかで聞いたような名前だな…」「ロバハウス(ロバの音楽座)の松本我隆さんと同じ苗字だし、もともと近いし、同じように古楽器を扱ってるし…」というところを発端に、当のbaobab松本未來君(公博氏の息子)に訊いたところ。

「あ、叔父です」

という衝撃の回答をいただき、合点がいったという始末です。

何だか茶化した感じになってしまいましたがここからが本題。

古楽器を作る、ということは並大抵の労力ではありません。
中世の楽器は、今のように淘汰され機能が絞り込まれた楽器「以前」のものです。
そのため微妙な違いを持った…それは地域=コミュニティによって異なるような、名も知らぬ様々な(似たような)楽器が存在していたのです。
未來君は「そこに魅力があるんです」と語ります。

クラシック音楽をある程度かじっていても知らない名前の楽器がポンポン出てきます。

それらをひとつひとつ紐解き、再構築していく作業は歴史家のそれと同じぐらいでしょう。

彼らのように古い楽器をよみがえらせることにどんな意味があるでしょうか。
その答えはそう簡単には出てきません。

ただ言えるのは、古楽器の音色は、現代の楽器が装飾という手垢にまみれてしまっていると感じてしまうぐらいの、素朴でまっすぐな音色を奏でます。
現代の楽器、モダン楽器とも言いますが、それらは主に音を大きくさせるために発展してきました。
音を大きくというのはコンサートホールの大きさに耐えうるものにするためです。
逆に古楽器はモダン楽器より音が小さいため、よりパーソナルに、近くに居る人に語りかけます。
今と昔では、聴き方の規模に違いがあったのです。

古楽器の奏法、製作などに、それこそ歴史学者のように没頭しその魅力に取りつかれていく人たちの気持がわかるのではないでしょうか。
古楽器はピリオド楽器とも呼ばれます。
それは一度ピリオドを打たれた、という意味ですがどうでしょう、本当はピリオドを打たれていないのかもしれません。
『ドゥクチア』でも書きましたが、死に絶えたいにしえの音楽ではなく現代にも生きていく価値のある音色だと思います。

実はこのふたつのカテリーナ、「カテリーナ古楽合奏団」名義で79年にはCBSソニーよりLPレコード『古楽の調べ』を発売しています。
(レコードはたくさん生産されたようで比較的安価で手に入るのでは)
クレジットを手元で確認できないのですが、おそらく兄弟おふたりとも参加されているのでしょう。
どちらのプロフィールにも載っています。
ご興味あるかたは探してみてもいいかと。

彼らのような活動をする音楽家たちについて紹介することは、雨と休日のような店にとって大事な役割ではないかと感じています。
松本公博と松本我隆。
ふたつの兄弟の家族が辿っていく先は、黄金の穂が実る道となることでしょう。



baobab / folk


ユニオン・カフェ



Penguin Cafe Orchestra / Union Cafe


ペンギン・カフェ・オーケストラのリーダー、
サイモン・ジェフスが亡くなったのが1997年の12月11日。
その20年後に合わせてリリースされたこのErased Tapesからの再発盤では、
オリジナル・アルバムに使われた絵をオブジェとして捉えた
ジャケット写真が使われています。
そこにはサイモン・ジェフス=ペンギン・カフェ・オーケストラが
その時残した軌跡を別の角度からありのままに再現しようとする意思が見られます。
もちろん音源にも手が加えられていません。
シークレットトラックとして最後に入っている
長い水滴の音もそのまま。

Erased Tapesのオーナー、ロバート・ラスによれば、
彼はサイモンの息子で現在は「ペンギン・カフェ」として
その意思を継いだ活動をしているアーサー・ジェフスと交流があり、
LPで発売されていなかったためにロバートが知らなかったこの
『ユニオン・カフェ』と出会った驚きと喜びから、
現在入手困難になっている本作を再発することにしたそうです。
(なのでむしろ同時発売されているアナログLPのほうこそが
ロバートの個人的に意図するところかも、です)

10「Silver Star Of Bologna」という
ペンカフェ屈指の名曲が入っていますし、
03「Nothing Really Blue」は稚拙ながら
『部屋、音楽が溶けて』のコンセプトの基となった
中低音メインで構成されている曲です。
11「Discover America」はアメリカ音楽、
14「Lie Back And Think Of England」はイギリス音楽の歴史を辿る旅のよう。

初期の前衛的というか、奇妙な感じが少し影を潜めた
ヴァラエティに富んだ内容ですが、
やっぱりこれぞペンギン・カフェ・オーケストラと感じさせる、
彼らにしかできない音楽です。


左・93年オリジナル盤(国内盤)。右・Erased Tapesからの再発盤。
 

『ランチタイム・ジャズ』第2弾




Various Artists 『Lunchtime Jazz Vol.2』

雨と休日先行販売
2017年12月8日販売開始予定

品番:CDSOL-6441
定価:2,300円+税

[曲目]
01. Quirine / Irvin Rochlin Trio
02. If I Were a Bell / Bobby Hutcherson
03. Beautiful Friendship / Ron Carter/Cedar Walton Duo
04. Jacaranda / Klaus Ignatzek Group
05. Missing Carolina / Steve Hobbs
06. Just You, Just Me / Charlie Byrd Trio
07. Sweet Georgie Fame / Debbie Poryes
08. Gaze / Rodney Jones
09. Cowboy Samba / Vintage Intrioduction
10. Moon Rays / Pharoah Sanders
11. Love City / Dolf De Vries
12. Voce Abuso / Tommy Flanagan


*****

10月に発売して好評いただいている
「ジャズ」「ランチタイム」がテーマとなった
雨と休日店主選曲によるコンピレーションCD、
『ランチタイム・ジャズ』の続編が早くも登場です。

今回はオランダのオーセンティックなジャズ・レーベル
「Timeless」とその傘下である「Limetree」の音源をセレクト。

Timelessは1975年にオランダで設立。
ベテラン・ジャズ・ミュージシャンから
若手ミュージシャンまで欧米の有名無名を問わず、
高いクオリティの作品を録音/発表していたレーベルです。

品の良さをどことなく感じさせるのが
ヨーロッパのレーベルらしさ。
全曲歌無しのインスト曲。
テンポは速すぎず遅すぎず。
という基本線は変わらず、
第1弾よりもヴァラエティに富んだ内容となっております。

第1弾に引き続き『ランチタイム・ジャズ』には、
雨と休日限定特典として
オリジナルデザインのコースター(別デザイン)をお付けします。

お楽しみに。
 

あの国あの時代



ウィーン、わが夢の町 田辺秀樹(p)


19曲目「ウィーン、わが夢の町」。
この曲が持っている魅力を
どう言葉にすればよいでしょうか。
文字で表そうとする前に、
このメロディに胸を熱くさせられます。
他のどの国のどの時代の音楽の性質とも違う、
純粋に甘い音楽を求め、
純粋に美しい音楽を求めた結果。
それを可能にした時代性が
ウィーンという街にあったのでしょう。

19世紀後半から20世紀初頭にかけて
ウィーンで生まれた、いわゆる軽音楽的なワルツやポルカ。
社交場で貴婦人たちが気軽に楽しんだダンス音楽。
あるいはカフェで歌われ、
街の人々がワインやビールを飲みながら嗜んだ音楽。

演奏されている田辺氏は
ドイツ文学者であり、一橋大学名誉教でもある方。

ご本人が書かれているライナーノーツにもありますが、
もともとは歌の作品で、
ピアノ伴奏のヴァイオリンなどに編曲されることはあっても
こういったピアノ・ソロでの演奏
さらに録音は希少価値のあるものです。

この時代の曲を集めたCDは非常に少ないです。
なぜでしょうか。

ひとつは「クラシック音楽」として
「低俗」「凡庸」であるという理由。
わざわざこんなライトな音楽を
歌って(あるいは演奏して)録音したりしない。
同様の理由でオペレッタ(オペラのより庶民的な
も長らく顧みられないものでしたが、
CDができてからはオペレッタ文化に
注目する音楽家が増えてきている印象です。

もうひとつは「無名」である、という理由。
ヨハン・シュトラウス2世のような例外はありつつも、
このCDに収録されている多くの曲の作者は
いわゆる流行作曲家のような扱い。
曲は有名であっても
あくまでその曲のみで知られる、というのが通例。
似たような曲を作り続けても
やがて単なる時代の流れに埋もれて個々の評価をされなくなる。
流行歌は流行歌の楽しみがあり、
気楽さがあり、街の人々の喜怒哀楽がある、
そこが魅力であって、
それ以上の薀蓄は要らないというもの。

まぁ、聴いてごらんなさいよ。
…という具合がいいのかもしれませんね。


 

クール・アンド・ウォーム



Bill Brovold & Jamie Saft / Serenity Knolls


立ち振る舞いはクール。
しかしサウンドはウォーム。
New Zion Trioのジェイミー・サフト。
RHYS CHATHAMのビル・ブロボールド。
ふたりの先鋭ギタリストが共演した、
フォーキーでブルージーなリラクシン・ミュージック。

『穏やかな丘陵』というタイトルに、
野性味あるジャケット。

かようなネイチャー・サウンド的アルバムも、
刺激を求めた結果。
カッコいいだろうと言わんばかりの自信作なのでは
と思わせるところが憎い。

ジェイミー・サフトと言えば、のNew Zion Trioですが、
今年来日をしたばかり。
当店でも以前取扱いしていた
ファースト・アルバムは今は廃盤の様で残念。

普段から尖った感じの音楽をやっている
ミュージシャンが、
ふと見せる優しい顔のような作品。

…っていいですよね。
というアルバムです。


(アルバム未収録曲のようですが雰囲気がいちばんよく出ている動画がこれ)

「一筋縄じゃいかない」って
雰囲気が漂いまくる二人です。

 

飾らないクラシック


ギャラが高額な有名演奏家ではなく、
無名ながら実力十分の演奏家を起用し価格を抑えつつ、
クラシックをより親しみやすいものとして紹介してくれる
香港のNAXOSレーベル。
有名曲から無名の掘り出しものまで膨大なカタログ量を誇る
その中で、NAXOSがつくるコンピレーション・アルバム(名曲集)は、
過剰な飾りのない、目的だけを遂行したような
シンプルな作りとなっています。
例えばこのCD。


バロック・ラルゴ名曲集


同じような内容のCDが
メジャー系レコード会社から出た場合、
もっと癒し系アピール満載で、
こっちが辟易してしまいそうになることがほとんど。
バロック時代の曲だけで統一されている点も良し。


The Maiden's Prayer - Leaves from Grandmother's Piano Album 〜おばあちゃんのピアノ・アルバムより


こちらの『おばあちゃんのピアノ・アルバムより』は、
親しみやすく素朴なメロディが魅力の
ピアノ小品を集めたもの。
有名すぎて逆にちゃんと聴いたことがない曲も
あったりするのでは。
企画勝ちの1枚。
 

映画のワンシーンが浮かび上がる



Iwamura Ryuta / Tokyo Reminder


はじめ、YouTubeにアップされた音楽が、
映画『コントロール(2007年公開)』で知られる
プロデューサーTodd Eckertの耳にとまり、
アメリカに招かれ録音されたこの音源。
それは5年前の話。
アメリカ、ヨーロッパでリリースされる予定だったものの実現されず、
ここに岩村竜太の初期作品としてCD化されました。
これまでリリースされたピアノ・ソロ3作品とはまた違った作品です。

もともと岩村氏が5年ほど前からYouTubeにアップしている音源では、
ピアノ以外にも様々な楽器や効果音を使って曲を作り上げています。



また、ピアノ曲でも映像とともに聴くことによって
プラスαのイメージが広がっていきます。



『Tokyo Reminder』はこういった彼独特の作風の
延長線上にある作品と言えるでしょう。

2曲目「The Bird Has Gone」がこのアルバムを象徴する1曲かと思いますが、
個人的には、ビル群に飛び立つ鳥の画…といった感じの
まるでアニメ映画のワンシーンのようなイメージが浮かびます。

岩村竜太はプロのミュージシャンではありません。
仕事の傍ら、こういった作品を作っていますが、
そのクオリティはとても高く、
作曲のアプローチは個性的です。
アメリカから(しかも本業の音楽プロデューサーではない人から)
声をかけられるというのも現代的なエピソードですが、
それも納得いくもの。

東京に住む人には感じるものがあるでしょう。
訳あって東京を離れた人への
音楽の贈り物にもなるかもしれませんね。
 

フェミニズムとまでいかなくとも



La La / Zamba Puta


La Láという名のアーティスト。
ラ→・ラ↑ー というアクセントになるかと。
カカーと一緒ですね。
ララァとは違う、と。

この作品、帯やライナーに書かれてありますが、
「Zamba Puta」というタイトルに彼女のメッセージが込められています。
以下メーカーインフォより引用。

―Zambaはペルー起源でアルゼンチンで盛んな伝統的ダンス音楽のジャンルですが、
 Putaは一般的は言ってはいけない英語のbitchに相当することばです。
 そのようなタイトルにした理由は、2017年の世界女性デー(3月8日)に
 ラ・ラー自身が映像とともにアップしています。
 「女性であることで受けるいわれのないXXputaのような侮辱的なことばがあります。
 私はその現実に目を背けず、疑問を持ち続け、
 そんなことがまかり通る世の中を少しでも快適なものに変えていきたいと思います。
 そのためにあえてアルバムのタイトルを
 『Zamba Puta(サンバ・プータ)』にします」
 という思いが込められています。



歌詞はそこまでストレートではありませんが、
強い意志をもった言葉のひとつひとつを見ることができます。
(対訳付きの国内盤仕様を取り扱っております)

短いアルバムです。
ファースト・アルバムに比べると彼女のやりたいことが
簡潔にまとまっている感じが。
各曲の中では様々なリズムのミクスチャー具合や、
ストリングスやトロンボーン、フルートなどの
使い方にセンスを感じさせます。
2曲目、5曲目が特にオススメ。

強いメッセージを込めているからこそ
輝きを持っている。
そんな歌は、ジョイスの『Feminina』を思わせます。


Joyce / Feminina & Agua e Luz


ペルーやブラジルのような国では
日常的な性的差別が横行していると聞きます。
日本で生活する人間にとっては
想像しにくいことではありますが、
その国の音楽を知ること=その国の文化、情勢を知ること
は、とても重要な音楽の聴き方のひとつ。
フェミニズムとまでいかなくとも
あなたの意識を変え得る作品となることでしょう。
彼女の歌の心地よさと一緒に。

こちらは2曲目の素晴らしきライヴ・ヴァージョン。
La Lá. Caramelo. Concierto Rosa.

 

春に聴きたいブロッサム・ディアリー


ブロッサム・ディアリー。
この素敵な名前の女性アーティストに惹かれる
ファンはとても多いことでしょう。

コケティッシュな魅力をもったジャズ・シンガーの
代表的存在です。
少女のような、というか幼女のような
その歌声がまず取り上げられますが、
彼女の本質はその可愛らしさではありません。
ブロッサムの本当の素晴らしさは、
歌に対する真摯な態度です。

2009年に亡くなったとき、
(ちょうど雨と休日がオープンしたての頃)
実店舗のほうでも追悼特集を組んだのですが、
今回改めて「春に聴きたいブロッサム・ディアリー」として、
まとめてご紹介いたします。
ここで紹介する彼女の作品は、
本当に春にぴったりなんです。



Blossom Dearie (1956)


ブルー・スターズというコーラス・グループで
レコードを作った後の、彼女のソロ・デビュー作です。
春の曲が3、4曲。
伴奏の編成も多すぎず、初期の代表作はやはりこれ。
10曲目の「Now At Last」は
Feistがカヴァーしたヴァージョンも美しいです。
後のDaffodilの諸作とは違って
この頃はストレートなジャズ作品といえますね。



Blossom Dearie / Sings: Blossom's Own Treasures


Verve、Fontanaといったメジャー・レーベルに
多くの録音を残したのちに、
彼女は1973年に自らのレーベル「Daffodil Records」を立ち上げます。
それは音楽家としての理想を求めた故のレーベル設立でした。

その第1弾であるアルバム『Sings』は、
レーベル発足直後であるがためにコストを抑えなくてはならず、
(著作権を支払わないように)すべて自作曲で
録音もモノラルで、曲によっては音質も悪いという
悪条件下での制作でした。
しかしそれが逆に良い味を出す結果となり、
この『Sings』を特別なアルバムにしている要因となっています。
少しチープな音質だからこその
柔らかさ温かさがあるアルバムです。
「Sunday Afternoon」という曲もあり、
日曜の午後に聴くのに最高のアルバム。



Blossom Dearie / 1975: from the Meticulous to the Sublime


さて、『Sings』がそれなりの売上を残したおかげで制作資金も手にし、
ブロッサムは満を持してこの第2弾『1975』を録音したのでしょう。
1曲目の「I'm Hip」。
作詞デイヴ・フリッシュバーグ、作曲ボブ・ドロウという
彼女のキャリアを通じて交流の深かったふたりの作品です。
とにかくブロッサムを語るうえで必聴の曲です。
それ以外にも良曲満載の好内容となっています。
Daffodilで最初に手にしたのがこのアルバム、
という人も多いのでは。
ポップスとジャズとを合わせたような
そのどちらでもないような彼女の作風が
確立されたアルバムと言えるでしょう。



Blossom Dearie / Winchester in Apple Blossom Time


雨と休日で一押しなのがこの『Winchester in Apple Blossom Time』です。
Daffodilでの第4弾となります。
あたたかな春の陽射しに包まれるようなアルバム。
春の曲もありますし。
まどろみます。
ジャケット内の写真がまた良いですね。
そういったところを含めて
Daffodilの日本盤をリリースしている
Celesteレーベルのデザイン性の素晴らしさを感じさせます。

ちなみに「The Ballad Of The Shape Of Things」は
日本のドッペルツィマーも取り上げており、
美しいリスペクトを感じさせるカヴァーになっています。
Doppelzimmer / 田園


≪追記≫


Blossom Dearie / Needlepoint Magic


Daffodilの第5弾が『Needlepoint Magic』。
これについては過去記事を。
http://blog.ameto.biz/?eid=1427385
ファンなら聴くべきライヴ・アルバムです。
 

水辺の音楽



Kazunori Sugama, Mayu Gonto / Waterside


sui saiのギタリスト菅間さんからは
いつも突然の手紙のように新作が届く。

今回は真由さんとのデュオだ。
動向をチェックしてない自分も悪いが、
ふたりに繋がりがあったとはという驚き。

彼のギターを水の流れに例えてきたけれど、
ここで聴けるのは
普段の、尽きることの無い潤沢な水量のようなギタリズム、
というより、
浸みた土の奥底を流れていくようなものだったり、
葉の上でなだれ落ち輝くようなものだったりする、ように感じる。

権頭真由さんについては
普段アコーディオンや歌などで聴く機会が多いので、
彼女が弾くピアノをこうしてじっくり聴くのは初めてかもしれない。
音の生まれ方、鳴らし方が、なんとも自然。

そして今回も録音が良い。
雑司ヶ谷音楽堂。
「下町のご夫婦が営むちいさな、とても素敵な建物です」
とは、菅間氏談。
録音場所もアルバムごとに毎回違う。

『Waterside』というタイトルに
深い意味があるかどうかを詮索するのは自由。
でももしあなたが川辺に住んでいるようなら、
このアルバムはとても特別なものになるに違いない。
そうなら、羨ましい。

アルバムについて菅間さんはfacebookにこう記している。
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1754857441500089&id=100009275497133

「権頭さんは この人は、本当にピアノとひとつでした。」
この一文が、多くを表わしている。
「You are my waltz」は名曲。


 
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