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キースの思い



Keith Jarrett & Charlie Haden / Jasmine


キース・ジャレットがピアノ1台で作った
名盤『The Melody at Night, with You』(1999年発表)は、
「慢性疲労症候群」という病気で
リタイアしていたときに支えてくれた奥さん、
ローズ・アン・ジャレットのために作った作品。
録音は自宅のスタジオで、
はじめはリリースすることを考えていなかったそうです。
それだけに思い入れの強い作品が出来上がった訳で、
聴くほうにも若干の覚悟というか、
気合が必要な作品でもあります。
もちろんその緊張感を含めて
『The Melody at Night, with You』の魅力であり、
名盤であるが所以だと思います。

さて、
ベーシスト、チャーリー・ヘイデンを迎え
2010年にリリースされたこの『Jasmine』は、
『The Melody at Night, with You』に込めた思いを
より多くの人に向けて作った作品と
言っていいのではないかと思います。
つまり、
『The Melody at Night, with You』では
「愛する人=妻」であったのが、
『Jasmine』では
「愛する人=リスナー」
という図式になるのでは、と。

ブックレットには、
キース本人による作品に対する思いが
3ページにわたって綴られています。

そこに書かれてあることによると、
『Jasmine』のセッションは、
チャーリー・ヘイデンのドキュメンタリー映像のため
2007年に行なわれたインタビューに端を発し、
その後キースが自宅にチャーリーを招いた
ところから始まったのだそうです。

キースとチャーリーの交流は、
チャーリーが60年代後半に
キースのアメリカン・カルテットと呼ばれる
グループに参加していた頃にさかのぼります。
アメリカン・カルテットは76年に解散し、
その後30年ほど共演の機会が無く、
『Jasmine』にて久しぶりの共演となりました。
果たしてそのセッションは
事前の準備など特になかったというもので、
30年という時を隔てながらも
お互いを理解し合った演奏となっています。

録音は2007年ですが、
曲順などを3年かけて考え込まれ
2010年にリリースされました。
そのことだけでもこの作品に対する
熱い思いが感じられるのではないでしょうか。

「Call your wife or husband or lover in late at night and sit down listen.」
=「夜、愛する人といっしょにソファで寛ぎながら聴いて欲しい」
というキース自身による言葉が
そのままアルバムの性格を
あらわしています。

このブログに何度か書いていることですが、
作品にはその背景(裏話)を知るべきものと
そんなに知り過ぎないほうがいいものとが
あると考えます。
キース・ジャレットのこの2作品については
その背景を知ってこその
魅力がある作品だと思います。
キースの思いを胸に秘めながら
じっくりと聴いていただけたらと思います。
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