春、ミソラ
日本のポップス、
特に70年代のものをご紹介したいと常々思っていました。
そんな中でも特にこれ、というのがこれら3作品です。
金延幸子 / み空
『み空』の魅力はやっぱりガーリーなところというか、
ぱっと見は綿毛のようにふわふわしていそうだけど、
しっかりロックしているところ。
この作品の背景で重要点ふたつ。
ひとつはリリース元のURC(アングラ・レコード・クラブ)というレーベルです。
はっぴいえんどが2枚アルバムをリリースしていますし、
その他多くのフォーク・シンガーたちの名盤がリリースされた。
小さいながらも日本の音楽史上
とても重要なレーベルとして知られます。
バックはURC繋がりではっぴいえんどのメンバーが全面的に参加しており、
プロデューサーも細野晴臣が務めています。
金延さんの素の歌はもっと力強い感じですが、
この作品ではプロデュースが特に効いているのでしょう、
とても優しい印象の作品に仕上げられています。
90年代のはっぴいえんど再評価の流れに乗ったのと、
小沢健二がライヴのSEでこれを流したことで
70年代フォークを体験していない世代にも
広く聴かれている作品です。
金延幸子のパーソナリティとバックを固める面々の
今もなお聴けるというクオリティを持っている点、
それに尽きる作品ですね。
佐藤博 / 青空
佐藤博、というと同名のキーボード奏者のほうが
知名度が高くて混同しがちですが、
このGWANさんはそんな障害?を乗り越えて
忘れ去られて欲しくない人。
『青空』に関しては坂本龍一の参加が注目点ではありますが、
なんともアンバランス。
フォーク然とした曲と、坂本のシティ・ポップス的な
アレンジとのギャップが多少…。
しかしそんな坂本アレンジのイケてる曲と
朴訥なイケてない曲が混じっているところを含めて愛すべき作品。
少しユーモアがある歌詞、曲が良いのです。
「ことば」は青葉市子さんあたりに歌ってもらいたい隠れた名曲ですね。
ラスト「わたしの自転車」など、
これからの爽やかな季節に
街を自転車で走りながら聴きたくなります。
斉藤哲夫 / バイバイグッドバイサラバイ
斉藤哲夫。
この作品よりしばらく後のシングル、
「いまのキミはピカピカに光って」が
当時CMに使われて大ヒットし、
それが代名詞的になってしまったのが
ある意味不幸でもあるのですが、
フォークムーヴメントとビートルズ両方に影響された
詩的でポップな作風が魅力の
シンガー・ソングライターです。
独特の高音部のハスキーな歌声がクセになります。
「ねえ君」とか、最高です。
この作品は2作目で、
ファーストアルバムはいわゆるフォークソング然とした
メッセージ色の強いものでしたが、
ポップス職人的な気質があったのでしょう、
徐々に音楽的に視野の広い作品を作るようになりました。
「吉祥寺」は、やはり名曲。
吉祥寺という街に関わったことのある人にしか
わからないものが在ると思います。
ここで描かれている吉祥寺は今の吉祥寺では無いのかもしれません。
あるいは井の頭公園付近に若干名残のある
あの青春な感じというか…
今は希薄になってしまっているけど
忘れてはいけないそんな空気感を持っている曲です。
中央線沿線に馴染みが在る方なら
佐藤博と斉藤哲夫の2点は
聴いてみてもいいんじゃないかなと言いたいです。
上記3枚の作品は、
70年代という時代性もあるのか季節感に溢れており、
「春」というキーワードが作品の持つ空気感を
掴んでいるように感じられるものばかりです。
欧米のポップスが劇的に変化したのが
ロックンロールやビートルズが現れた60年代半ば以降。
日本では少し遅れて70年代に入ってから
海外の音楽に触発され音楽的に洗練された
作品を作るアーティストが現れてきました。
是非、日本のこの時代の作品を
聞いてください。
特に70年代のものをご紹介したいと常々思っていました。
そんな中でも特にこれ、というのがこれら3作品です。
金延幸子 / み空
『み空』の魅力はやっぱりガーリーなところというか、
ぱっと見は綿毛のようにふわふわしていそうだけど、
しっかりロックしているところ。
この作品の背景で重要点ふたつ。
ひとつはリリース元のURC(アングラ・レコード・クラブ)というレーベルです。
はっぴいえんどが2枚アルバムをリリースしていますし、
その他多くのフォーク・シンガーたちの名盤がリリースされた。
小さいながらも日本の音楽史上
とても重要なレーベルとして知られます。
バックはURC繋がりではっぴいえんどのメンバーが全面的に参加しており、
プロデューサーも細野晴臣が務めています。
金延さんの素の歌はもっと力強い感じですが、
この作品ではプロデュースが特に効いているのでしょう、
とても優しい印象の作品に仕上げられています。
90年代のはっぴいえんど再評価の流れに乗ったのと、
小沢健二がライヴのSEでこれを流したことで
70年代フォークを体験していない世代にも
広く聴かれている作品です。
金延幸子のパーソナリティとバックを固める面々の
今もなお聴けるというクオリティを持っている点、
それに尽きる作品ですね。
佐藤博 / 青空
佐藤博、というと同名のキーボード奏者のほうが
知名度が高くて混同しがちですが、
このGWANさんはそんな障害?を乗り越えて
忘れ去られて欲しくない人。
『青空』に関しては坂本龍一の参加が注目点ではありますが、
なんともアンバランス。
フォーク然とした曲と、坂本のシティ・ポップス的な
アレンジとのギャップが多少…。
しかしそんな坂本アレンジのイケてる曲と
朴訥なイケてない曲が混じっているところを含めて愛すべき作品。
少しユーモアがある歌詞、曲が良いのです。
「ことば」は青葉市子さんあたりに歌ってもらいたい隠れた名曲ですね。
ラスト「わたしの自転車」など、
これからの爽やかな季節に
街を自転車で走りながら聴きたくなります。
斉藤哲夫 / バイバイグッドバイサラバイ
斉藤哲夫。
この作品よりしばらく後のシングル、
「いまのキミはピカピカに光って」が
当時CMに使われて大ヒットし、
それが代名詞的になってしまったのが
ある意味不幸でもあるのですが、
フォークムーヴメントとビートルズ両方に影響された
詩的でポップな作風が魅力の
シンガー・ソングライターです。
独特の高音部のハスキーな歌声がクセになります。
「ねえ君」とか、最高です。
この作品は2作目で、
ファーストアルバムはいわゆるフォークソング然とした
メッセージ色の強いものでしたが、
ポップス職人的な気質があったのでしょう、
徐々に音楽的に視野の広い作品を作るようになりました。
「吉祥寺」は、やはり名曲。
吉祥寺という街に関わったことのある人にしか
わからないものが在ると思います。
ここで描かれている吉祥寺は今の吉祥寺では無いのかもしれません。
あるいは井の頭公園付近に若干名残のある
あの青春な感じというか…
今は希薄になってしまっているけど
忘れてはいけないそんな空気感を持っている曲です。
中央線沿線に馴染みが在る方なら
佐藤博と斉藤哲夫の2点は
聴いてみてもいいんじゃないかなと言いたいです。
上記3枚の作品は、
70年代という時代性もあるのか季節感に溢れており、
「春」というキーワードが作品の持つ空気感を
掴んでいるように感じられるものばかりです。
欧米のポップスが劇的に変化したのが
ロックンロールやビートルズが現れた60年代半ば以降。
日本では少し遅れて70年代に入ってから
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是非、日本のこの時代の作品を
聞いてください。
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