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黄昏時から光のほうへ ― PIANO ENSEMBLE所感


2010年のまだ暑いとき。
ハルカナカムラが店に来てくれた。
発売されたばかりの『twilight』のために、
彼が撮った写真をファイルにしたものを
店頭で展示する、
その準備のためだ。

まだ私は、ハルカナカムラ本人のことを
よく知らなかった。
後から思うと、彼はその当時、
ひとつの暗闇から抜け出そうとしていたはずだ。
そしてもちろん、彼のアンサンブルのメンバーたちのことも
よく知らなかった。
ARAKI Shin、内田輝といったミュージシャンは
ライヴやアルバム販売に伴うかたちで
次第に親しくなっていった。

それから7年。
何度も会い、聴き、彼の音楽が変化していく様を
断片的に見続けてきたが、
個人的には「CURTAIN CALL」で
彼の向く方向性のひとつが
美しい建物のように形作られたと感じた。
それはPIANO ENSEMBLEの進化過程の中の
ひとつの出来事だったが、
私自身もスタッフとして参加した
昨年末の早稲田スコットホールでの公演では、
CANTUS、うららといった歌い手の他にも
青木隼人、坂ノ下典正というサポートが居たこともあり、
少し感慨深い気持ちになった。


[ACT.9] 2015年12月25日京都文化博物館
写真:吉村健(TKC)/照明 : chikuni

FOLKLOREでもそうだが、
この写真のように円になって
演奏を囲むのが、
彼らの音楽には合う。
その音楽性を的確に表しているいい写真だ。


haruka nakamura PIANO ENSEMBLE / 光


『光』。
こうやってPIANO ENSEMBLEの最終形が
音盤となってできあがったのは、いちファンとして嬉しい。


haruka nakamura / 音楽のある風景


『音楽のある風景』と『光』を見比べると
何曲か曲順が同じなのがわかる。
これは敢えてそうしたのだろう。
2014年の録音である『音楽のある風景』と、
その2〜3年後の演奏である『光』との
演奏には大きな変化があることが
一聴してわかるはず。
曲目を見ただけで「なんだ同じ曲入ってんじゃん」
と思うのは浅はかだし、
彼らがやろうとしていたことを理解すれば
これこそが正解なのだとわかる。

音そのものはエモーショナルに激しさを増す部分があり
雨と休日のラインナップの中では
音量大き目の部類に入る。
この点は前作『音楽のある風景』よりも増すところだが、
音がうるさい、という意味ではない。
硬度が増している、と感じた。

しかしその対比として、静かな部分は可能な限り静か。
それはこの音源の傍に「観客」が居たからだ。
数十、数百の観客が作り出す「静けさ」は力強い。
声を出すよりも力強い。

ハルカナカムラはその静けさを
強要することなく会場に作り上げている。
それは限られた音楽家のみができることに他ならない。

光があれば闇がある。
動があれば静がある。
その逆も然り。
音を発さなければ静寂は無いし、
静寂を作ってくれる人たちが居るからこそ、
ハルカナカムラとその仲間たちは
力の限り奏でられるのだ。

つまり何よりも、
静寂の部分に気づいてほしいアルバム
ということなのだ。



 
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